山本マサヤのコラム【非日常的日常の心理学】

メンサ所属のメンタリストとして心理学やマジックを組み合わせたパフォーマンス・心理学のセミナー・舞台・映画・メディア出演などさせていただいています。 日々の活動報告や、日常に隠された以外な心理学活用方法【非日常的日常の心理学】をご紹介していければと思っています。 応援よろしくお願い致します。

【嘘を見破る能力】Lie to Meを観て、嘘発見能力が向上するのか?

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日本でも心理学的手法を使って、相手の嘘を見破る刑事ドラマは複数あり、その知識を身につけようと、何度も見直してしまう人も多いのではないでしょうか?

 

そのドラマを観ることで、自分の嘘発見能力の向上を期待する人は多いのではないでしょうか?(私も当初はそう願っていた。)

しかし、そのようなドラマを観て、嘘発見能力が向上するのでしょうか?

 

 

"ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る"という海外ドラマをご存知でしょうか?

 

ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間 シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

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このドラマは、

精神行動分析学者であるカル・ライトマンが、「微表情」と呼ばれる一瞬の表情や仕草から嘘を見破ることで、犯罪捜査をはじめとするトラブル解決の手助けをする姿を描く。主人公であるカル・ライトマンは、実在の精神行動分析学者であるポール・エクマンをモデルにしている。実際にエクマンが体験したことが、そのまま主人公の過去として描かれている部分がある。

 

 作品の随所で、嘘を見破る方法について紹介されており、私も面白くて何度も見直してしまう。

このドラマのモデルとなる、ポール・エクマン氏の著書を何冊か読んだこともあり、登場している手法が事実なのは分かるが。。。。。

 

このドラマを観ることで、嘘発見能力が向上するのだろうか?

 

この疑問について、ミシガン大学の”ティモシー・R・リヴァイン”が、Lie to meを視聴することによる、嘘発見能力の向上についての実験を行っている。

(参照:The Impact of Lie to Me on Viewers’ Actual Ability to Detect Deception)

 

実験には108人の平均年齢19.7歳(18〜26歳)の男女が参加しており、これからを3つのグループに分けた。

1.Lie to meを観るグループ

2.別の犯罪ドラマ(Numb3rs)を観るグループ

3.ドラマを観ないグループ

 

それぞれのグループが、ドラマ視聴後に12のインタビュー映像を観て、それぞれが、嘘をついているか・真実を言っているか判定してもらう。

このインタビュー映像のうち、6つが真実を話しており、6つが嘘をついている。

被験者はそれぞれの映像をランダムに見せられ、真実を話しているか嘘をついているか判定する。

 

結果は以下の通り、

 

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Lie to me視聴者の嘘発見の正確性は58.8%

他のドラマを視聴した人の嘘発見の正確性は53.8%

何もドラマを観なかったグループは56.2%

 

 

つまり、

Lie to Meを観ても、嘘発見能力はほとんど向上しない。

 

 

さら悪いことに、真実であると判断する能力が減少している

 

逆効果である。。。。

 

これは、紹介されている手法をそのまま相手に当てはめて、相手の心理状態を推測することで、見誤ってしまうことが原因だと考えられます。

「部下におごる人は出世する」という法則(?)を、何の疑いもなく信じて・実行してしまうのと一緒です。

 

ボディーラングエッジは、相手のクセや文化的な違いによる影響も大きいので、その点を考慮し、読み取った情報は”相手の心理状態を読み取るヒント”でしかないと肝に銘じておくことが重要だ。

By Paul・Ekman

 

私のセミナーでも、相手の考えていることを予測する手法について紹介しているが、必ず最後に、「これは、相手の心理状態を予測するヒントでしかない。相手の微表情やボディーラングエッジから相手の心理状態に確信を持つのは危険である。」と忠告しています。

 

嘘を見破るテクニックはとても魅力的ですが、ただ、盲目的にそのテクニックを信じてしまうのは危険であると言えるでしょう。

 

さて、Lie to Meを観よう。笑”

 

参照:

The Impact of Lie to Me on Viewers’ Actual Ability to Detect Deception

人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学?嘘と説得、コミュニケーショントレーニング

【印象の心理学】お食事会・合コン・面接時に印象に残りやすい席

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「お食事会・合コン・宴会の時にどこの席に座ると印象に残りやすいのか?」
 
 

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「面接の時に、どこに座ると面接官の記憶に残りやすいのか?」
 
友好関係が築けていれば、相手の横(左側)に座るのがいいのですが、複数人との食事会や面接の時に1番最初にどこに座っているかで、相手の中の印象の強さが変わるとしたら、こだわらずにはいられません。
 
では、相手に印象に残りやすい席とは、相手の目の前?相手に向かって左側?右側?
 
心理学者のニスベットとウィルソンは、まったく同じ品質の4つのストッキングを机の上に横一列に並べ、被験者にどれが1番いいストッキングか?」と言って、ストッキングを選ばせる実験を行った。
すると、多くの人が1番右側におかれたストッキングを「最高の一足だ」と選んだ。

 

 
これは、人間の目線が、左から右へ動く特製と、心理学の「親近効果」によるものです。
親近効果とは最後に認識したものが強く記憶に残りやすいという心理作用のことです。
 
なので、”気に入った人”や”アピールしたい面接官”から見て右端に座ると、相手の記憶に残りやすい存在となることができます。
 
また、席の右端が埋まっていた場合、左端に座ることをオススメします。
これは、「初頭効果」と呼ばれ、最初に認識したものに対していいイメージをいただきやすいという心理作用です。
 
つまり、相手から見て、右側が最も印象に残りやすく、次に左側ということが言えます。
 
このテクニックを面接や食事会で活用していただければと思います。
 
 
 
 
 

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※最後に見たものが印象に残りやすいということで実験。笑”
効果はありましたでしょうか?

【音楽の心理学】落ち込んだ時に聴くのは、悲しい曲?前向きな曲?

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仕事を失敗した時や失恋の時など落ち込んでしまった時に、音楽の力を借りて気分転換する人が多いと思いますが、そんな時、どんな曲を聴きますか?

アップテンポな曲を聴いて気分を紛らわせたり、悲しい曲を聴いて悲しみを出し切ったり。

 

しかし、実際、どんな曲を聴くのが効果てきなのでしょうか?

 

心理カウンセリングの中に音楽療法というものがあり、そこで、落ち込んだ時にどのような曲を聴くのが効果的か述べられています。

 

 

「落ち込んだ時は、悲しい曲を聴きなさい」

 

これは、”同質効果”と呼ばれ、自分の精神状態に近い曲を聴くことで、精神の安定を保つ効果があるというものです。

 

悲しい時に、テンションを上げるため、明るい曲を聴く人も多いでしょうが、これは、無理やりテンションを上げることになるので、効果が出にくいのです。

 

最初は悲しい曲を聴いて、徐々に気持ちが盛り上がる曲に切り替えていくことで、自分の落ち込んだ気持ちをコントロールすることができます。

いきなり、テンションの高い曲を聴いてしまうと、自分の気持ちからかけ離れすぎていて、曲に共感できなくなり、落ち込んだ気持ちを解消するのが難しい。

 

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音楽を聴いた時、脳の中の大脳辺縁系という感情を司る部分を中心に反応するため、効果的に活用することで、自分の心理状態をコントロールすることができます。

 


西野カナ 会いたくて 会いたくて 720pHD Kana Nishino - YouTube

 


HY 366日 - YouTube

 

などは、同質効果に最適な曲なのかもしれませんね。

※ただの僕のお気に入りの曲ですが。笑”

 

参考: 

心を動かす音の心理学 ― 行動を支配する音楽の力

心を動かす音の心理学 ― 行動を支配する音楽の力

 

 

【恋愛心理学】ビジネスでも使える単純接触効果「◯回会えば好感度は4倍!」

人間は会う回数が多いほど相手に信頼感・好感度を覚えたり、見る回数の多い広告ほど好感度を持ったりします。

 

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このように、何度も接点を持つほど好感度が上がる効果を心理学では単純接触効果と呼びます。

 

アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスは、記憶の実験と称して、2秒ごとに映し出される86枚の成人男性のスライドを、数人の大学生たちに見せました。でも実際は、12人のスライドをランダムに86回みせていたのです。

すると、顔の魅力に関係なく、登場した回数の多い人物の方が、少ない人物よりも好感度が高いという結論になりました。

さらに、他の実験では、女性に対してランダムに男性の写真を提示し、1度しか見せなかった男性の写真と、25回も見せた男性の写真では、好感度が4倍も違ってくるという結果も出ています。

参考:すぐに使える行動心理学 監修/植木理恵

 

つまり、25回接点を持つことで、1度目に比べて4倍も好感度が高いということです。

 

 

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これは、直接会うだけでなく、メールや電話による接触も含まれるため、定期的にメールをすることで同様の効果が見込めます。

また、この効果は男女関係なく発揮されるので、男性→女性だけでなく、女性→男性に対しても活用することができます。

 

最近の研究では、単純接触による好感度の向上は、10回目の接触以降から出てくることが分かっています。

 

とは言え、単純接触が多すぎると不快を感じたり、人によっては見れば見る程嫌になるパターンもあるので、やりすぎにはご注意ください

 

さて、実践実践!!

 

参考:

服装の好感度に対する単純接触の効果 共立女子大学

植木理恵のすぐに使える行動心理学

 

【音楽の心理学】認知心理学的にバンドマン&ダンサーはモテる!

バンドマンやダンサー、音楽を始めたい人に朗報です。

 

 

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バンドマン&ダンサーはモテます!!

 

 

認知心理学者のジェフリー・ミラーとマーティン・ハセルトンによる実験で、

 

A:創造性に溢れているが、お金が無い男性

B:創造性は無いが、お金を持ってる男性

 

どちらが女性にモテるかという実験が行われました。

実験結果としては、「お金がなくても創造性のある男性のほうがモテる!」という結論に達したそうです。

 

この実験結果を音楽と結びつけたのは下記書籍、「心を動かす音の心理学」です。

心を動かす音の心理学 ― 行動を支配する音楽の力

心を動かす音の心理学 ― 行動を支配する音楽の力

 

 

書籍によると、音楽をする人は

創造性もあり、パートナーになることで生存率が高まるからモテる!

とのこと。

 

これは、人類が狩りをして生活をしていた時代、女性は自身の生存率を高めるため、パートナーになる男性として運動能力の高い男性を好む傾向があり、「運動能力の高さ=男性としての魅力の高さ」という認識がありました。

 

運動能力が無いと、食料が無くなって餓死してしまいますもんね。。。。

 

当時、集落の中で自身の運動能力の高さを女性にアピールするために、踊りを通してアピールすることが多かったそうです。

踊りはジャンプや全身を使った動きなどがあるため、運動能力のアピールにつながり、リズム感のある男性は運動能力が高く(生存率が高い)魅力的に見えていた可能性があるそうです。

この認識がゲノムレベルでコード化されて、現在においても、女性の無意識に働きかけている可能性があります。

 

高校生の時に感じた、「バンドマン・ダンサー = モテる」という認識は意外に間違ってなかったのですね。

ギターを2週間で諦めた僕からすると、もっと頑張るんだったと後悔です。笑”

今からでも間に合います!!笑”

【メラビアンの法則】第一印象は3〜5秒で決まる。

f:id:yamamoto-m0408:20151005022741j:plain人の印象は出会って、3〜5秒で決まると言われています。(適応性無意識)

そんな3秒勝負の第一印象について、どこを1番気をつければいいのか。

 

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出典:有名すぎる メラビアンの法則

上記は、「メラビアンの法則」と言われ、人が他人へ影響を与える要素の構成比として、アルバート・メラビアンが発表しています。

 人は何かを判断する時に、話の内容などの聴覚情報よりも、容姿などの視覚情報を最も信頼するという研究結果です。

「あなたは悪く無い。」と、浮かない表情や目線を合わせず言われると説得力が低いのは、視覚情報のほうが優越性が高いためだと、メラビアンによる研究で立証されています。


梅干しを見た瞬間にツバが出るように、第一印象で刷り込まれたイメージは、その人に再度出会った瞬間に無意識に感情に働きかけます。(アンカーとトリガー) 


 第一印象はとても重要で、一度刷り込まれた印象は、なかなか書き換えることができないと言われています。


また、上記のグラフにある通り、容姿だけでなく、表情や姿勢も重要となります。

決して、容姿がいいだけでは、ダメということです。 

清潔感や、笑顔も容姿と同じくらい重要ということですね。


もちろん、ビジネスにおいても、説得力が薄いが綺麗に整った美しいデザインの資料は、説得力のあるデザインが整理されていない資料よりも説得力があると言われています。

 

もし、第一印象に関する勉強がしたい場合、第一印象に関する書籍は多数あり、海外の文化の影響も大きいため、日本にあった書籍を読むことをオススメします。

以下の書籍なんかがオススメです。 

人は見た目が9割 (新潮新書)

人は見た目が9割 (新潮新書)

 

 

マジシャンもスタイルにもよりますが、怪しすぎる格好は、「どうせイカサマしてるんでしょ」と思われる可能性があるため、要注意が必要です。

僕もパフォーマンスを行うときは、目立つために派手過ぎる格好などはしないようにしています。

 

そもそも、その第一印象などの直感は「適応性無意識」と呼ばれており、心理学の重要な分野として研究が行われています。 

また後日、ご紹介させていただきます。

【NLP】目線で相手の心を読む方法

メンタリストとして、観客の心を読むパフォーマンスをしていると、よく、「どうやったら、相手の心を読めるのか?方法を教えて欲しい」、と、言われます。

今回は、その秘密として、相手の目線から、何を考えているか予測する方法を公開します 。

もし、彼氏・彼女がウソを付いているのか、分かれば。。。。

そのテクニックは、NLPという心理療法で活用されているテクニックで、”アイ・アクセシング・キュー”と呼ばれています。

このテクニックを使うことで、相手が作り話をしているのか、昔のことを思い出しているのかを読むことができます。


出典:MindCraft

相手が考え事をしている時に、

  • 左側または、左上を見ている時は、作り話を考えている(創造的思考)
  • 右側または、右上を見ている時は、過去を思い出している。(記憶的思考)

と、言われています。

(注:統計的に上記のような差があっただけであり、個人差がありますのでご注意ください。 私は誤差を調整するために、最初に「過去にあった思い出を思い出してみてください」と、お願いし、どちらに目線が行くか確認しています。)

目の動きと、脳の活動には密接な関係があり、レム睡眠の時に目が動くのは、脳の活動と関係があると言われています。そのため、REM(レム)睡眠の脳が活動している睡眠状態 = Rapid Eye Movement(目がキョロキョロしとるやん)という名前が付いています。

ぜひ、皆さんの周りの方の目の動きに注目してみてください。

参考資料:

本当かウソかは目で分かる!?